私が10年間体験したうつ病の世界を、思うまま、じぶん目線で書いています。
今回は、うつがどっぷりとひどいときの世界観。そのとき見えていた世界について。
グレーな世界について

うつ病は、よく感情が無くなると言われてますが、ちょっと違和感があります。
たしかに、無くなる感情はある。それは、嬉しいとか楽しいなど、いわゆるポジティブな感情。
でも逆に、いつもより激しい感情もあります。それは、不安、苦しさ、悲しさなど、いわゆるネガティブな感情。四六時中、常に続きます。
そんなネガティブに包まれた日が続くと、視界の中の変化に気づきます。
それは、景色がグレーで色を感じないこと。
この報告って多いですよね。うつ病では一般的です。
「あ、グレーだ…」と私が思ったのは、うつ病が発症して間もない頃。住み始めたばかりの大阪の平野区の夜の景色を見たときです。
うつ病の苦しみに耐えつつ、無理に仕事に通っていた当時、そのグレーの景色を見て「地獄ってこういうことなんだ…」って感じたことを覚えています。
でも、グレーを意識したのはその1度のみ。
私には、グレーというより、”雰囲気” がずっと気になっていました。
その雰囲気とは、暗く、重く、生気がなく残酷なもの…。どの景色を見ても、そう感じるのです。不気味です。その後もずっと続きました。
そして、その雰囲気に怯えながら約10年、うつ病が改善し始めたころ…。
「あれ、世界がカラフルだ!」
いつものスーパーの景色の色が鮮やかなんです!あれあれ??
ドイツのフライブルク大学の研究チームによると、うつ病の状態では色彩のコントラストに対する感受性が弱くなる、との研究結果が出ているそう…。
私はあまりグレーを意識しませんでしたが、やっぱり自分にも世界がグレーに見えていたんだなーと、改めて実感しました。
景色がホラー映画の世界!怖すぎる…

見える世界は全て、暗く、重く、生気のない残酷な雰囲気…。感情はいつも不安と恐怖…。
このころ住んでいた世界は、まさにホラー映画の世界でした…。強烈な雰囲気。
映画の「リング」って、貞子さんが出ていなくても、雰囲気だけで怖かったですよね。あれです。
海外のホラーでも、普通の家の中や森の景色が怖かったりしますよね。あれです。
ホラーゲームの『零 -ZERO-』シリーズをご存知ですか? その世界のあの雰囲気。
目に見える物全てから敵意を感じるし、知らない人達はみんなホラー映画の出演者だし…。
ほんとに怖かったなー…。
「悪霊にでも取り憑かれた…?」
何度も考えました。
ですが、実際に心霊っぽい現象ってなかったんですよねー。…そういえば、何度か寝起きざまに不思議なことはありました。
でも、怖くなかったので、心霊ではないと思うんです!
…だから大丈夫 ♪
と言うわけにはいきません!
心霊は関係なくとも、昼夜問わずいつでもどこでも、脳は暴走! 不安と恐怖のオンパレード…。
身体も同様にしんどい。自律神経はまともに機能していないし、緊張でいつも筋肉がこわばってる。だから、身体の自由がきかない。
そうなると、何かが起きたら対応できる自信は一切なし。更に不安増…。
一瞬一瞬が不安と恐怖との戦い。
生きているだけで、本当にクタクタでした…。
そんな状態なのに、急に、後悔、自責、怒り、悲しみ、嫉妬、あらゆるネガティブ思考がぐるぐるぐるぐる回り出すんです。あることないこと…。
この地獄的なホラーの世界で一生生きていくんだろうか……。本当に絶望な感じでした。
現実感がなくなるという病気

病気の症状で、『離人感・現実感消失症』というものがあります。
外界(物・人・現象)や自分に対して、現実感がなくなるというもの。まさに分離の感覚ですね。
これはうつ病などの精神疾患の人にも起こりやすい症状。私の場合は、これが常にうっすらと出てたのかなーと感じます。
うっすらと分離して現実感がないうえに、見える世界はグレーの世界。脳は常に不安と恐怖。それが世界をホラー映画テイストに見せていたんだと思います。
ほんと、あの世界は、今でもゾッとします…。
実際のホラー映画が作り出している雰囲気って、みごとに恐怖の感じを再現をしているんだなー、すごいなー!と改めて、感心しました。



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