ポジティブな考え方はたしかに大切ですが、それにともなって、行き過ぎたポジティブの押し付けが蔓延しているようにも感じます。
私もとても苦しんだ経験があります。
この「ポジティブの押し付け」に役に立つのは、スルーすること。でも、私は、それがなかなかできませんでした。
でも、ちょっとしたコツでそれなりにできるようになったのです。今はとても楽です。
この記事では、そのちょっとしたコツをご紹介します。
確かにポジティブの押し付けはつらい…
普段、私は、あまり苦しいことを口に出さないのですが、たまに出したときにポジティブ一辺倒な返答をされると、とても苦しくなりました。自分の気持ちを否定されていると感じたからです。
ネガティブは良くないと自分でも分かっているけど、言わずにいられなかったんですよね…。それを否定されたら、やはりつらくなります。
一般的にネガティブな感情や発言は、悪くとらえられやすい傾向があります。
でも、実は、ネガティブな感情や発言はそこまで危険なものでも無いのです。
ネガティブな感情や思いを、外に向けて表現することで、良い成果が出やすいとの研究があります。
それをエモーショナル・ディスクロージャーと言います。
不平不満や不安などのネガティブな感情を吐き出すことにより、心理面での負担が減ります。
負担が減り、ストレスが低くなった状態でネガティブなことに向き合えるので、成功しやすくなると言われています。
ネガティブな感情や思いを表現することは、決して悪いことばかりでは無いのです。
スルーする前に決めておこう!
先程、「ポジティブの押し付け」に役に立つのは、スルーすることと書きましたが、スルーの仕方を覚える前に、先に決めておくと、とても気持ちが楽になることがあります。「心がまえ」ができるからです。
あなたは、ポジティブの押し付けを「拒否」しますか?「受け入れ」ますか?
あなたはどういう態度を取りますか?
ポジティブを押し付けられているとき、自分がどういう態度を取るかを、あらかじめ決めておきます。
それは、相手が自分にどういう印象を持つかを、決めることでもあります。
その態度とイメージは大きく分けて2つ。
→ 相手からのイメージ「嫌なのかな?」
・【受け入れ】「なるほど!」
→ 相手からのイメージ「納得してくれている」
考慮する点は1つ。
・長期的に見て自分が楽でいられるかどうか
拒否をすればいずれ押し付けは減るかもしれませんが、拒否の態度をとることは難しいですよね。
逆に、受け入れた場合は、今後もずっと押し付けが続くかもしれません。
拒否するにしても受け入れるにしても、それなりに覚悟が必要です。
ただし、いずれにせよ、今自分が苦しんでいるのは間違いないので、なんらかの覚悟を持って対応したほうが良いと思います。
その場合、長期的に見て、自分が楽でいられるかどうかを一番に考えてみてください。
では、拒否と受け入れ、ぞれぞれについて説明しますので、参考にしてくださいね。
【拒否】「聞きたくない…」→ 相手からのイメージ「嫌なのかな?」
拒否と言われると、けっこう強気なイメージですが、そんなことはありません。相手になんとなく「あれ、嫌なのかな?」と思ってもらう程度で良いのです。
“ゆるい拒否”という感じですね。
拒否することについて、スルースキルの紹介などでもよく言われていることがあります。私も実感していることです。それは…
あからさまにずっと無視していたり、ずっと嫌な顔をしていれば嫌われるかもしれません。
でも、押し付けられたとき、その場でさり気なくする程度なら、それほど問題は起こらないのです(ただし、少しくらい嫌われても良いかも…ぐらいの覚悟ができると楽ですが♪)。
とはいえ、あまり拒否ができないからこそ苦しんできたと思うので、「これならできそう」というくらい基準をゆるめても大丈夫です。
続けていけば、押し付けは減ってきます。
【受け入れ】「なるほど!」→ 相手からのイメージ「納得してる」
受け入れるというのは、顔は笑顔でうなずいて耳はスルー、という感じです。相手からの印象も良いので、聞き流すテクニックが上手くなれば円満ですね。
ただし、今後ずっとポジティブの押し付けは続くかもしれませんし、より加速することも考えられます。
しっかり覚悟をする必要があります。
拒否と受け入れ、どちらにしようかなー?
今後、ポジティブの押し付けはやめてほしいと思うなら、「拒否」の意思表示は必要です。
「拒否」の意思表示はできないから、今後も「受け入れる」(耳だけスルー)というなら、受け入れてますよーという態度になります。
結果的に自分が楽になれるものを、選んで決めておいてください。
もちろん、この2つだけではなく、ご自身でこれだ!というものがあれば、それでも良いと思います。
ただし、“完璧にやらなければならない”ということは無いので、うまく出来ればラッキーくらいに気楽に考えてくださいね。失敗したら、また挑戦すれば良いのです。
スルーするテクニックはコレです!
聞き流すには、何に焦点を当てるかが重要です。
ポジティブを押し付けてくる相手の言葉、表情、雰囲気など、ひとつひとつに焦点を当ててしまうのは良くありません。
ひとつひとつの部分ではなく全体に焦点を当てること、すなわち俯瞰(高い所から見下ろす/全体を見る/一歩引いてみる)をするのです。
俯瞰するのは以下の2つ。
・相手の人生全体
自分の気持ちを俯瞰してみる
ポジティブを押し付けられてると感じたときは、「嫌だなー…」「なんなの!」といった拒絶や怒りの感情に巻き込まれてしまいます。
その感情から一度距離を置き、冷静に対処するために、自分の感情を俯瞰します。「客観的に見る」と言い換えても良いです。
自分の感情の俯瞰の仕方
その後に、その気持ちを自分で「それで良い」と肯定してあげてください。
例)「もう、うるさい!疲れる!」と思っていた場合
→「『もう、うるさい!疲れる!』〜って、今、私は思っているんだ」「そうか、そう思って良いよ」
例2)「本当に嫌だ…。いいかげんにして欲しい!」と思っていた場合
→「『本当に嫌だ…。いいかんげんにして欲しい!』〜って、今、私は思ってるんだ」「そう思うよね、良いんだよ」
もっと簡単に、「今、私は、腹たってるんだなー。そりゃそうだよねー」でも大丈夫です。自分の感情を客観的に見られれば、言葉自体は好きにして構いません。
これで、気持ちが落ち着き、冷静に考えやすくなります。
その後に相手の人生を俯瞰してみます。
相手の人生を俯瞰してみる
ポジティブの押し付けをされているときは、想像で構わないので、相手の人生、または生活全般を思い浮かべてみます。
小さいころ、親との関係、学生時代、友人関係、そして社会人になってからの人間関係…。
その人も、たくさんの経験を繰り返して学んでいる最中です。
そして、経験と学びを繰り返している人生、そのほんの一瞬が、”今”なのです。ポジティブを押し付けている“今”です。
これからも続いていく人生の、一瞬の通過点…。
それを踏まえて、なんとなくで良いので、その人の小さい頃から今までの数十年を頭に描いてみてください。
可能であれば、空想でその人の人生を疑似体験しても効果的です。もちろん勝手な想像ですが、それで構いません。
同じように、その人の今日1日を想像してみても良いです。
いつものように朝起きると、昨日の疲れが残っていて、気持ちも暗い…。歯を磨いた後、自分をポジティブにするために、「おまじない」的なことをして、元気づけて、あれこれあって、今ここで私にポジティブを語って、その後も、いつもの日常があって…。
このように、「今は、その人の人生という流れのほんの一瞬なんだなー」と認識することで、いつのまにかポジティブの押し付けをスルーできます。
普段から気をつけることがある
ここまで、ポジティブを押し付けられたときの対応をご紹介してきましたが、大前提が2つあります。
ネガティブなことを言うときは、人・場所・言葉を選ぶ
1つ目は人・場所・言葉を選ぶということです。
ポジティブの押し付けをしてきそうな相手には、できるだけネガティブなことを言わない。言わざるを得ないときには、言い方を工夫してみてください。
愚痴を聞いて欲しいときも、人を選んで話す方が良いですね。
いずれにしても、ポジティブを押し付けられて苦しいときは、次回、同じことにならないよう、なにかと工夫をしてみましょう。
自分がネガティブの押し付けをしていないかどうかも見直す
相手がポジティブな押し付けをしてくる前に、自分がネガティブの押し付けをしていなかったかどうかも見直してくださいね。
私自身も、おもいっきり押し付けていたように思います。
ポジティブな人から見たら、ネガティブな意見というのは、とてもストレスになります。
ましてや、他人の愚痴などは、ポジティブな人から見ると、とても大きいストレスになるのです。
ポジティブな人が苦手…迷惑なポジティブの押し付けから自分を守る!【まとめ】
ポジティブな意見には参考になる視点がたくさんあります。もちろん、本来なら喜んで参考にしたいですね。
でも、自分に余裕がないときは、どんなに正論でも、受け入れることは難しく感じます。
ましてや、押し付けられてると感じるときは、余裕なんて持てません。
でも、スルーできるようになったら、自分の気持ちに余裕が生まれてきます。そこから、参考になる意見があれば取り入れてみるのも良いかもしれません。
では、今回の振り返りです。
以上です。いかがでしたでしょうか。
あなたの心の負担を少しでも軽くして、心のやすらぎを手にいれるために、ぜひ、この記事で紹介したテクニックを試してみてくださいね。
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