今日の名言をお届けします。今回は小説「ノルウェイの森」の登場人物、ワタナベの言葉です。
今日の名言
村上春樹氏の小説「ノルウェイの森」は、日本で有数の販売数を誇る小説。とても純粋で、とても悲しい小説だと感じました。
主人公のワタナベの心にできた傷は、とても大きなものだと思いますが、でも、意外とよくある、それほどめずらしい傷ではないのかもしれません。普通にありえそうな傷だからこそ、この小説の意味があるのかもしれませんね。本人も忘れていたくらいだし。
…なんて、抽象的に話を進めていても意味がありません。では、今日の名言はこちらです。
なにか問題を解決するために、すべてを深刻にとらえる必要はない、という意味だと思いますが、ちょっと別な角度から書きます。
「深刻」とは、ネガティブな影響の大きさのこと。心の問題です。では「真実」とは何でしょうか。現実? 事実? 事象? あいまいなものですが、これらのことだと思います。
心の問題である「深刻」は、「不安」「悲しみ」「怒り」などの感情に結びつけられます。なんらかの状況を深刻だと思い、不安になり、悲しみ、腹を立て、落ち込む。ときには、とても苦しい心境に陥り、心の病気になる…。
では「真実」の方は、どうでしょう。ある事態が起こったとします。どうやら事態(真実)は深刻だと判断します。どうしよう、気持ちが震える、苦しい…。
ちょっと待ってください。 事態は「事象」でしかありません。深刻かどうかを判断したのは、私たちの頭であり、知識や価値観です。その判断に合わせ、気持ちが反応し、震え、苦しむのです。
その事態は、本当に深刻なのでしょうか? そもそも、本当に「真実」なのでしょうか? その知識や価値観は正しいのでしょうか?
同じ事態でも、なんでもないと判断する人は、気持ちは特に揺さぶられません。ふわふわっと乗り越える。ときには、上手に逃げます。
私は、なかなかの長期間、うつ病を体験したのですが、後半は、うつ状態より、不安に悩まされました。
パニック障害にはならなかったのですが、それでも、信じられないほど強い不安感です。それは、心の感覚というよりは、実態のある強い痛みのようなものです。
実際、仕事はできないので、収入や家庭の問題は深刻です。なのに、ある日、ふと不安が消えたのです。あれ、不安じゃない…。なにか、環境が変わったわけではなく、状況に変化はありません。なのに、不安じゃない…。なんとかなる、って思える…。
ということは、不安になるかどうかは、実際の現状とあまり関係ないのでは、と思うようになったのです。
その後、半日くらいで、またすぐに不安が戻ってきましたが、この経験のおかげで、不安に感じていることは、不安に感じずにもいられるんだ、と認識できるようになりました。さらに、その経験や感覚を思い出すと、不安がすっと引いていくようにもなったのです。
うつ病による不安感は「脳のエラー」です。だから強い。その強い不安感でさえも、物事の解釈(認知や感覚)で、ある程度解消されるのです(病気なので、すぐ復活しますが…)。
対処する必要がある事態は、もちろん、深刻にとらえ、対処すべきです。でも、私たちには、そうではないものにさえ、やたらと深刻になり、苦しむクセがあります。
「『深刻』だと解釈しているが、『深刻ではない』とも解釈できる」そこに気がつけば、本来必要のない苦しみから、多少なりとも開放されるのではないでしょうか。
うーん、でも、こんなことを書いてる私は、いつも怒ってばかりだしなー…。いろいろ変に深刻にとらえるから、怒ってばかりなんだよなー…。偉そうに言う前に、自分をなんとかしなきゃ! ん〜、どうしよう…、なんとかできるかな…。不安だー………。あ、また不安になってるし…。あー、なんか、いろいろ、ごめんなさい…。
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ひとつの名言にこだわり、記事を書いています。最近「ぼやき」になりがちで申し訳ありません。
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