ストレスの限界はとてもわかりにくいものです。今自分は動けるから、まだストレスの限界では無いのかな? と思うこともありますが、それは違います。
限界が来ていても動くことが出来ますし、気が付かないこともあります。
そのまま限界を超えてしまうと、心や身体を壊し、その後の生活に長く大きな支障が出てしまうこともあります。それでは遅いのです。
私自身、そのようにして心や身体を壊した経験があります。その後の生活は本当に大変でした。その時の自分の体験を元に、私が経験したストレス限界のサイン、更に、一般的に言われているストレスのサインもまとめてご紹介しますので、ご参考いただけると嬉しいです。
下の目次を見るだけでも、ストレス限界のサインをチェックすることができます。
ストレス限界のサイン
感情、日常/習慣、身体、それぞれに分けてご紹介します。これらは本人の特性・体質などによっても違うので、全てが当てはまる訳ではありません。
日常生活に影響が出るほど、これらのサインのいくつかを強く感じる場合は、ストレスに対し根本的に向き合い、早めに対応する必要があります。
■【感情】によるストレス限界のサイン
ストレス限界のサインで一番辛いのが感情に出るサインです。
自分が甘えていると勘違いして、我慢してしまうこともありますが、これらのサインを見逃すのは危険です。限界に来ているとのメッセージかもしれません。
理由もなく涙がでる
ストレスが限界の時には、なんでもないように感じることに、思いがけず心が反応してしまうことがあります。すると、ポロポロと涙が出ます。
自分のストレスの大きさを自覚していない時は、理由が無く涙が出ているように感じます。
感傷的になりやすく泣き続ける
夜ひとりになると感傷的になり、泣きだす日々が続くことがあります。
女性などに多いですね。この場合、本人は心のどこかで、もう限界にきていると認識しているのではないでしょうか。
好きだったことをしても楽しめない
楽しい・嬉しい・幸せなどの感情が希薄になります。それをもっとも感じるのが、自分が好きだった事をしているときです。以前のように楽しむことができません。
何をしても心から楽しめなくなったと気づいたら、いつからそうなったのか思いを巡らせてみてください。期間が長いほど、ストレスが重く蓄積しています。
常に不安
常に漠然とした理由の無い不安が続きます。見ている景色が全て不安な象徴に見え、恐ろしく感じることもあります。
その状態で、実際に何か不安なことが起こると(思い浮かべると)、不安が過剰に膨れ上がり、動悸が起こることもあります。「不安で何も手につかなくなる」状態が続いている場合は、すでに限界を超えてしまっているかもしれません。
常に焦っている
焦りは不安と表裏一体です。不安だから焦ってしまいます。不安が常に存在しているので、焦りも常に存在しています。
私のことですが、家にいられる時間が貴重だったので、その時間はゆっくり休みたいという思いが強く、「ゆっくりしなければいけない!」と焦っていました…。ゆっくりできるはずがありません。
すべてネガティブに捉えてしまう
すべてにおいてネガティブに捉えてしまいます。ネガティブな感情はとても強く、完全に支配されます。時々抜け出すことはありますが、すぐにネガティブに戻ります。
逆に、物事をポジティブにとらえる事ができなくなります。頑張ってポジティブに考えても、心が着いてきません。
怒り・悲しみ・落ち込みなどの感情の起伏が激しい
心に余裕があると、ネガティブな感情をコントロールできます。でも、心がストレスでいっぱいのときは、余裕が一切無くなり、ネガティブな感情を止められなくなります。
そんな時、ネガティブな感情は、ささいなことにも爆発し、とても激しく他人や自分に襲いかかることがあります。
怒りやイライラが止められない
ストレスが溜まると、脳は何度も何度もネガティブな感情や考えを作り出します。もういらない!と言っても聞いてくれません…。
ネガティブな感情の力は異常に強く、なんとか怒りを鎮めようとしても長く持続してしまいます。
強い恐怖を感じやすい
この恐怖も、不安と同じように漠然としていることが多いのですが、恐怖の力は非常に強く、自分の感情を支配してきます。
この漠然とした不安や恐怖は、実際の案件と結びつくと、更に大きな威力になります。動悸が激しく、震えが起こることもあります。
人に会いたくない/部屋から出たくない
コミュニケーションの得意・不得意に関わらず、人と会うことがとても重く感じる、もしくは怖く感じます。
部屋から出て、家族の誰かと会うことも辛く感じます。そういう時、ゲームなどに熱中することで、不安から気持ちが離れることもあります。
死にたい/消えてしまいたいと感じる
自分が嫌いでたまらなくなり、みじめに感じます。現状の全てを悲観的に感じ、生き続けることに嫌気がさします。
「死にたい」よりは「消えてしまいたい」と感じる人のほうが多いように思います。
■【行動】によるストレス限界のサイン
日常/習慣によるストレス限界のサインは、なかなか気づきにくいところがあります。
サインが出始めの頃はまったく気づかないか、「なんとなく変だなー」くらいにしか感じません。
同じミスを繰り返す
毎日同じところで同じミス、というよりは、今ミスしたところをやり直そうとしても、繰り返し同じミスしてしまう、ということが多いように思います。
電車でいつも降りる駅を乗り過ごし、戻ろうと反対の電車に乗ったら、また降りる駅を乗り過ごして何度も繰り返す…。ストレス限界のサインの「あるある」です。私も経験しました。愕然としてまるで超常現象のように感じました。
集中できない/文章が頭に入らない
会議などでも集中できない、もしくは、聞いていても頭で内容を処理できなくなります。
よくあるのは、文章を読んでいても、内容が頭に入ってこなくなるということです。何度も同じ場所を読み返します。私も本を読んでいる時、30分経っても同じ場所を読んでいることがありました。
今まで出来ていたことが、なかなか出来ない
今まで普通に行っていたことに、とても時間がかかるようになります。
私の場合は、いつも5分で返していたメールに3時間かかりました。数日続いてようやくおかしいと思い始めました。
無気力が続く
常に身体がだるいので、何もしたくなくなります。「億劫になる」と表現されますが、そんな生ぬるいものではありません。
不安感や恐怖感などで気持ちが萎縮しているうえ、身体が重く力が入りません。気力が無くなっています。
身だしなみに気を使えない/お風呂に入れない
オシャレが好きだった人さえ、身だしなみに気を使えなくなります。どうでもよくなってしまいます。
更に、お風呂に入ることが苦痛になります。放っておけば、何日でもお風呂に入りません。決して入れないわけではないので、外出時には無理に入りますが、休みの日などは入らなくなります。
記憶力が鈍る
人の名前などが思い出せなくなることがあります。今、自分がしていたこと、話していた内容などが分からなったり、今、人から聞いていた話の内容も思い出すことができなかったりします。
これらの頻度が多くなります。
景色に色を感じない/景色が重くどんよりしている
色を鮮やかに感じられなくなることがあります。景色が灰色に見えるという人も少なくありません。
色は感じられても、まるでホラー映画のように、景色が恐ろしく見えることもあります。私はこの状態がとても長く続きました。逆にストレス状態から脱すると、同じ景色が、色鮮やかで空気が軽く、まるで違ったように見えます。
独り言が増える
余裕が無くなっているので、視野が狭くなり、周囲に気持ちが向けられません。
少ない集中力をフルに使っているので、独り言を言っていることに気が付きません。今集中していることで精一杯の状態なのです。独り言は、人に指摘されて気づくことが多くなります。
強迫行動が現れる
何度も確認したのに繰り返し確認し続けたり、潔癖が過剰になり何度も手を洗い続けたり、物などを定位置に置くことに強くこだわるようになったりします。
不安にかられるような妄想が生じる場合もあります。
お酒やギャンブル、性行為などの欲求が高まる
ストレスの発散をお酒やギャンブルに求めることがあります。これが発展すると依存になります。あまりに頻度が増えた場合は、特に注意してください。
性欲はストレスにより減少することが多いですが、まれに高まる人もいます。こちらも依存になることがあります。
■【身体】によるストレス限界のサイン
身体に出てくるサインは、認識しやすいものが多くあります。身体からのサインで、異常に気づいた人も多いのではないでしょうか?
※こちらに上げるサインは、ストレス以外の別の病気の可能性もあります。気になる場合は、専門機関への受診をオススメいたします。
慢性的なだるさが続く
常にだるさが続きます。これは自律神経の問題で、立って歩けなくなるほど悪化する場合があります。
調子が悪くなると、動くことが辛く、一日中寝て過ごすことも増えます。
眠れない/すぐに目が覚める
ストレス限界のサインで、とてもスタンダードなのが、この睡眠に関するサインです。眠れなくなり、ネガティブな考えや感情に襲われます。眠ってもすぐに目が覚め、朝も早くから目が覚めます。
目覚め直後に、普段よりも強い不安に襲われることもあります。
長時間眠ってしまう/眠気が抜けない
ストレスが溜まると、眠気が抜けなく、長時間眠ってしまう人もいます。1日15〜20時間も眠ってしまうことがあります。寝ている時に、手足のしびれを感じることもあります。
眠った時間の長さに関係なく、常に眠気を感じます。
食欲がなくなる/味を感じなくなる
食欲がなくなるのも、スタンダードなストレス限界のサインのひとつです。食べる気が起こらず、痩せる人も多くいます。
あまりに悪化すると、味を感じなくなるとも言われています。まるで砂を食べているようだと感じる人もいます。
いくら食べても食欲が満たされない
食欲が減る人もいますが、急激に増す人もいます。ストレス解消になにかを食べる人も多いですね。
食べることで解消される程度のストレスなら良いですが(太りすぎるようであれば問題です)、いくら食べても食欲が満たされない場合は注意が必要です。
頭痛もしくは肩こりが続く
頭痛や肩こりなどもよく起こる症状です。偏頭痛が増え、吐き気などが起こることがあります。
私も頭痛がひどくて脳神経外科に行きましたが、何も異常がありませんでした。このパターンは非常によく聞きます。
※ストレスが原因だと感じても、専門機関の受診をオススメします。
背中や腰が痛む
腰痛の原因がストレスによることが多いとの意見は以前からたくさんありましたが、背中の痛みもストレスによることが多いと言われるようになりました。
私自身も、この両方の痛みをよく感じていました。
※ストレスが原因だと感じても、専門機関の受診をオススメします。
普段から身体が緊張して固くなっている
気がつくと身体が緊張して固まっていることがあります。椅子に座っている時や横になっている時など、本来はリラックスしている状態の時に起こります。
不安が強いので身体が緊張しているせいです。あまりに続くと、筋肉痛になることがあります。
動悸や息苦しさが激しく起こる
不安や緊張で動悸が起こり、そのせいで、更に不安が高まることがあります。私も特に理由がない動悸で、とても恐怖を感じたことがありました。
身体や心の緊張が続き、呼吸が上手く出来なくなると感じる人もいます。
※ストレスが原因だと感じても、専門機関の受診をオススメします。
腹痛や下痢が続く、もしくは便秘になる
腹痛や下痢を訴える人も多くいます。お腹が下りやすくなる人もいれば、便秘になる人もいます。
ちなみに私は、限界を超えてしまった後、しばらくたってから便秘になるようになりました。それまでは、お通じに問題なしでした。
※ストレスが原因だと感じても、専門機関の受診をオススメします。
めまいが起こりやすい/平衡感覚が乱れる
めまいもよくある特徴のひとつです。ちょっとした時にめまいが起こります。これは、けっこう頻繁に起こります。人によっては平衡間隔が乱れ、まっすぐ立っているのか分からなくなることもあります。
私もめまいは頻繁に経験しました。歩いていると、10分間隔で、頭の中でプチンと音がして、フワっと意識が飛ぶのです。これは怖いですよね!当時はなんか変だくらいにしか思っていませんでした。
※ストレスが原因だと感じても、専門機関の受診をオススメします。
汗が止まらない/手が震える
特に理由もないのに、手が震えたり、汗が止まらなくなることがあります。私は気心の知れた人と話していただけなのに、なぜか急に手が震えだし、緊張感で身体が固まったことがありました。
ここまではっきりとサインが出れば、さすがにおかしいと感じますよね。
※ストレスが原因だと感じても、専門機関の受診をオススメします。
ストレス限界のサインを見逃さないで!心・身体・行動の変化32症状【まとめ】
恥ずかしいんですが、私自身もストレスのサインを見抜けず、無理をしすぎてしまい、何度も体調を壊してきました。壊してようやく無理をしていたことに気づくのです。
そして、ようやく分かった私にとっての限界のサインは、睡眠でした。
あまりひどくない時は、過眠の傾向があります。それに対して、とてもひどい状態になると、眠れなくなる、すぐ目が覚める、もしくは、目覚めにとても「強い不安感」に襲われる日が続きます。
私にとってこの「強い不安感」というのは、身体(特に“みぞおち”のあたり)に強い痛みのように感じます。これが発作のように起こり、とてもとてもつらいのです…。これが私には一番わかりやすいサインのようです。
私が理由も無く涙が出る時は、すでに限界が超えた時のようで、動けなくなった後です。死にたい/消えてしまいたい、も限界を超えてしまった時です。
…やっぱり限界を超えたくないですねー。おそろしいです…。
いずれにしても、ストレスのサインは人それぞれです。今、あなたがこの記事を読んでいるということは、すでにストレスフルになっている状態かもしれません。
限界まで頑張ろうとしてしまうと、いつの間にか限界を超えてしまいかねません。
では、今回の振り返りです。
以上です。いかがでしたでしょうか。
上記に上げたサインが多少なりとも出ているなら、なんらかの対処をする必要があるかもしれません。
深刻な状態になる前に、ぜひアクションを起こしていただきたいと、心から願います。
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