
怒り、不安、劣等感など、ネガティブな感情に襲われたときは、不快でとても苦しいですが、これらの感情は、意外と簡単に、その場でスッと消すことができます。
ここで紹介するものは、10年間うつ病で苦しんだ私でさえ効果があったものばかりです。ぜひ試してみてくださいね。
とても簡単ですよ。
ネガティブな感情は、自分の意思に関係なく襲ってくる

ネガティブな感情は、何らかのきっかけに反応し、浮かび上がってきては私達を苦しめます。
これは、自分の意思で行っているわけではありません。
例えば、誰かに何か言われ怒ったとき、私達は「怒りたい」と「怒らない」の2つを比較し、あえて「怒る」を選択しているわけではないですね。気づいたら怒っています。何かを思い出して苦しむときなんて、なぜ、今それを思い出したのか、さえ分からないこともあります。
感情や考えが浮かんでくるのは、自動的(脳によるもの。潜在意識下の選択)です。そのときの自分の意思とは関係ありません。
それは、ネガティブな感情が浮かぶことをコントロールするのは、とても難しいということでもあります。
では、何ができるのかというと、浮かんできたものに対処することです。
とても受け身な感じですが、実はそうでもありません。浮かんできたものに適切に対処し続けていると、それらが浮かんでくる回数やパワーが自然と減少していくのです。完全に無くなることはないですが、それらに苦しむことは大きく減っていきます。
最初は、何度も何度も、同じ感情や考えに襲われます。こちらも負けずに、何度も何度も手放しましょう。そのうちに、その感情や考えは小さくなっていきます。諦めないことが重要です。
前回効果があったやり方が、今回も効果があるとは限らない

今回ご紹介する方法は、効果のあるものばかりです。
ですが、今回効果のあったやり方が次回も効果があるとはかぎりません。そのときの感情の強さや種類、精神状態によって、効くものと効かないものがあります。
効かなかった場合は、違う方法を試してください。
私の場合は、程度の軽い不安感やイライラはこれ、重い不安や怒りや劣等感にはこの組み合わせ、嫌な考えがグルグルするときはこれ、などのパターンがあります。
1回行ってみてまだ残っているようなら、もう一度くりかえしたり、違うものを持ってきたりします。
とても強い感情で翻弄されそうなときは、最初に独特な深呼吸(後でご紹介します)を行って、ある程度落ち着かせます。
そのような感じで、自分なりのパターンを何個か用意することをオススメします。
一瞬で手放す3つの方法

では、手放す方法をご紹介します。
これらは、ネガティブな感情に襲われているそのときに行うものです。
先程も書きましたが、感情が強く、少し落ち着いた方がいいと思えるときは、深呼吸を先に行ってください。深呼吸の方法は後でご紹介します。
A.物質化された感情
こちらは、ネガティブな感情を物質化するイメージを行い、手放し、浄化するものです。残りの2つと比べれば多少複雑ですが、慣れると、瞬間的に手放せるようになります。
2.その感情が身体のどの場所に感じるのかを見つけてください。
(例:胸、みぞおち、お腹、頭の後ろ、など
3.見つけた場所(見つからない場合は、みぞおち)でその感情を物質化します。
色、質感、重さなどをイメージしてください。匂いや音などが思い浮かぶなら、それも付け加えてください。具体的にイメージします。
(例1:真っ黒なコールタールがダイヤモンド並に固まった物体で、ゴツゴツして、大きな岩くらいの大きさ。信じられないくらい重たくて、冷たくて、恐ろしい感じ…
(例2:ブヨブヨした赤黒い気持ち悪い物体で、直径60センチくらいの大きさ。重さは小型犬くらい…
※できるだけ重くて大きいほうがいいですが、自分がリアルに思い描けるサイズで大丈夫です。
4.思い描けたら、両開きの扉を自分の胸(もしくは、お尻か背中)にイメージをします。そして、その扉を大きく開けて、そこから物質化した感情をパッと下に捨てます。
※物質化した感情がその扉より大きくても、スッと通り抜けることができます。
5.物質化した感情は、ゴーーーーっという轟音(もしくはヒューーーなど)とともに、どんどん身体から離れて下へ落ちていきます。この身体から離れて落ちていくイメージを、しっかり行ってください。同時に、もともとその感情があった場所は、スキっと空になっているイメージ(多少残っていてもいいです)をしてください。
6.物質化した感情は、そのまま下へ下へと轟音を轟かしながら落ちていきますが、遠く離れたある一定の場所まで落ちると、とても大きな光の爆発をします。爆発したときの音の大きさや振動などを感じてください。
7.爆発した感情は、キラキラした砂状の大量の光の粒子となって飛び散り、信じられないほど美しく、壮厳な光景になります。その光の粒子が、さきほど開け放った身体の扉から入りこみ、もともと感情があった場所を中心に、体全体に、体から溢れるほど充満します。
8.身体の扉がスッと消え、この光の粒子は炭酸水のように身体の中で壮大に弾け始めます。身体も心もシュワシュワと浄化してくれます。その感触を味わってください。
9.物質化した感情がまだ体内に残っているようなら、また、扉を開けて捨てるところからくりかえしてください。手で取り出して捨てるイメージをしても効果的です。
10.身体も心もすっきりし、きれいになった感じがしたら終了です。
B.ノーネーム
こちらは、感じている感情についている名称(「不安」や「怒り」など)を捨てて、その身体の感覚のみに集中する方法です。行うことはとても簡単です。
2.その感情に対する名称(不安、怒りなど)を頭から消して、その身体的な感覚だけに集中します。
3.身体のどこにその感覚を感じますか? どんな感じがしますか?
(例1:みぞおち辺りに20センチくらいの大きさで違和感を感じる
(例2:喉の奥あたりに詰まるような感覚がある
4.更にその感覚に集中し、分析します。
(例1:身体の表面に近い場所で、丸というよりはドーナツのような輪で、チクチクざわざわする感じ…
(例2:身体と喉の付根くらいの場所にあって、5センチくらいの大きさ…
5.更にその感覚に集中し、細かく分析してください。
(例1:常にうごめいているようにチクチクざわざわが生じている。色は赤でメタリックな感じ…
(例2:ゴツゴツした石炭のよう…
※このように言葉にできなくても問題ありません。感覚で大丈夫です。
6.集中し分析し続けている内にスッと消えていきます。
C.もうひとりの自分
こちらの方法は3通りご紹介します。それぞれ単独で使えます。感情が強い場合は、上から順に3つ行っていくのも効果的です。
ネガティブな感情を感じたら、「あ、自分は○○に対し、○○って感じているんだなー」と、自分の感情を客観視します。これでスッと消えていきます。
ネガティブな感情を感じたら、イメージの中で、自分から一歩離れて、ネガティブな感情を感じている自分を観察します。これでスッと消えていきます。
ネガティブな感情を感じたら、苦しんでいる自分に対し、心の中で優しい母親(もしくは友達や天使)のように声をかけます。「あなたは○○に対して、○○って感じているんだね。そうだよね、○○って感じるし、そう考えてしまうよね。いいよ。それでいいんだよ」という感じです。そのとき大切なのは、自分に生じている全ての感情や考えを、一度しっかり肯定してあげることです。
※「こんな考えはいけない!」などと否定し押さえつけてしまうと、開放されずにいずれ爆発します。重要なのは、無条件の全肯定です。ただし、「それでいい」と肯定しても、「それが正しい」という肯定はしないでくださいね。自分が頑なに「正しい」と考えているようなら、「『正しい』と考えているんだね。それでいいよ」というような肯定をしてください。考えている内容を肯定するのではなく、そう考えているという行為そのものを肯定します。「正しい/正しくない」などの判断は、冷静になり、広い視野で俯瞰できる状態になってから、何度も見直してくださいね。結局は自分を苦しめている考えでもあるのです。
深呼吸
感情が強い場合、一度深呼吸をして落ち着くと、どんな方法を使うか判断しやすくなります。ぜひ試してみてくださいね。
こちらの深呼吸も2つの方法をご紹介します。どちらも身体の動きに集中する方法です。自分にとって効果的な方をお選びください。
息を吸うとき、膨らむお腹(もしくは胸)の動きに合わせ、「膨らむ」と頭の中で言います。息を吐くとき、引っ込むお腹(胸)の動きに合わせ、「引っ込む」と頭の中で言います。これをくりかえします。
※身体の動きに集中し、動きにしっかり合わせて言葉を言ってください。
ゆっくりと深呼吸しながら、自分の心臓の鼓動を1,2,3,1,2,3とくりかえしながら数えます。
※心臓の鼓動は、心臓付近で感じるときもあれば、首のあたりなどで感じることがあるので、ゆっくりと探してください。数回数えるとすぐに落ち着いて、鼓動を感じなくなることがあります。必要なら、手首などの脈を数えましょう。
「考え」を手放すには

手放したい「考え」には、2通りあります。
ひとつは、この考えは必要ないのですぐ手放したい、と ”割り切っているもの” 。もうひとつは、手放したいがその考えに囚われすぎていて ”割り切れない” ものです。
割り切っているものなら、先程ご紹介した「A」や「C」のやり方で手放せます。
一方、割り切れない考えは、根本的な考えの修正が必要です。修正というのは、例えば…
・自分を犠牲にしすぎて苦しんでいる
→ ”自分の心を優先しないことには、本当の意味で人のためにはなれない”という認識をしっかり持つ。
・言われたことに腹が立ってしょうがない
→ ”自分のための何らかの意味があるはず”、という認識をしっかり持つ。
→ ”ただ机やパソコンがそこにあるのと同じように、ただそういう状況があっただけ”、という認識をしっかり持つ。
など…
これらは、このサイトでも紹介しているものもありますし、WEBでも書籍でもたくさんあります。
どう考えれば楽になるのか、時間をかけて、心から納得できるまで、自分を苦しめる考えに向き合ってくださいね。
向き合うとき、感情がじゃまにならないように、まずは先程紹介した方法などで、一度感情を手放し、落ち着いてから行いましょう。
※こちら↓↓↓は関連記事です
ネガティブな感情を一瞬で手放す3つの方法【まとめ】

ネガティブな感情を手放す方法をご紹介しましたが、これらには法則性があります。
それは、その感情を肯定(認識)して、客観視(切り離して眺める)ことです。形は違っても、今回ご紹介した方法は全てこの法則に則っています。
この法則が分かれば、自由にアレンジしてもかまいません。ぜひ、自分にとってやりやすくて効果的な方法を見つけてください。
では、今回の振り返りです。
■ネガティブな感情は、自分の意思に関係なく襲ってくる
・ネガティブな感情が浮かんでくること自体を止めるのは難しい
・ネガティブな感情は、浮かんできたものを処理する
■前回効果があったやり方が、今回も効果があるとは限らない
・効果は感情の種類や強さなどによって変わる
・手放せない場合は違うやり方にする、数回繰り返す、やり方を組みあわせるなどの工夫をする
■一瞬で手放す3つの方法
A. 物質化された感情
B. ノーネーム
C. もうひとりの自分
深呼吸
■「考え」を手放すには
・手放したい「考え」には2種類ある
・囚われいて割り切れない「考え」は根本的な修正が必要
以上です。いかがでしたでしょうか。
これらを何度も行っていると、簡単に手放せるようになってくるうえ、ネガティブな威力も弱くなってきます。ぜひ、ご活用くださいね。



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